
Cartolina カルトリーナ はイタリア語で「絵葉書」。旅先から送る絵葉書のように、
イタリアを始めとするヨーロッパの暮らしに息づくスタイルやライフシーンをお届けします。
Listone Giordano ブランドの natural genius コレクションは、世界的なデザイナーがフローリングの形をデザインするプロジェクトです。2025年のミラノサローネで新たに2シリーズが発表されましたのでご紹介します。
NUI by Piero Lissoni
NUI は、ピエロ・リッソーニの繊細なタッチを色濃く反映しています。
彼はミニマルなラインをデザインすることで、シンプルさを個性的で時代を超越した存在へと昇華させています。
「縫い目」は、その純粋さと優雅さで魅了される美的要素となり、過去と現在を繋ぎます。
リッソー二はこう語っています。「このプロジェクトはかつて威厳ある樹木であった姿を思い起こさせる木の板の美しさから生まれました。床に並べた木々が家具になるかのように、この木組みを思い描きました。」
日本語の「縫う」という言葉から生まれた「Nui」という名は、このプロジェクトの精神を完璧にあらわしています。
日本文化と指物の芸術を想起させるミニマルなラインを通じて、「繋がり」という概念を反映しています。
板材を、接着剤や釘を使わずに、組んだり継いだりする指物の技法は仕口と呼ばれます。見えないところに精緻な細工をほどこし、かみ合わせることで接合させます。表面にあらわれる美しいほぞ組のラインを「縫い目」に見立てた NUI のデザインは、いにしえの職人への敬意と、作品の静かなたたずまいをスタイリッシュに表現しています。
TRAFIC by Marc Sadler
マーク・サドラーは、小端立ての木製舗装ブロックを現代的に再解釈した新しい木製サーフェスをデザインしました。
ロンドン、パリ、ニューヨークの19 世紀の木造街路の「パヴァージュ・アン・ボワ」にインスピレーションを得たこのサーフェスは、当時の急激な変革の時代を物語っています。「トラフィック」は、革新の過去へのオマージュです。
歴史との対話を通して、現在の変化のスピード、そして変革の時代を生きた先達とのつながりを再発見する必要性について、改めて考えさせられます。
近代性がデザインされた革新の時代に対するサドラーの解釈は、環境への配慮と最新のテクノロジーの融合です。
パインの心材の木口面を表面材に用いています。40x120 の小片を集成して、高熱木材乾燥技術であるサーモ加工を施し熱による褐色化でパインの黄みを抑えた落ち着いた色味とともに、低含水による高強度、形状安定性、抗菌性を併せ持ちます。ブラッシングにより年輪を際立たせ、目地を切ることで木造街路を彷彿とさせます。目地の切り方で4 パターンの表情があり、別パターンとの組み合わせも可能です。5 枚横並びにすると正方形になりますので90°回転させての組み合わせも可能です。