Cartolina カルトリーナ はイタリア語で「絵葉書」。旅先から送る絵葉書のように、
イタリアを始めとするヨーロッパの暮らしに息づくスタイルやライフシーンをお届けします。
フローリングは板の側面に実(サネ)という凸凹をつくって連結させます。この実加工のために1cmほどの厚さが必要になります。無垢の板を使ったものが無垢フローリング。無垢板とベニヤを貼り合わせたものが複合フローリングです。無垢は反りなどの形状変化が懸念されますが、十分に乾燥させて、床暖房対応とうたっている無垢フローリングは変化が少なくなっています。形状が安定しているベニヤを貼ることで変化が少ないのが複合フローリングです。貴重な無垢材を効率よく使うエシカルな側面も持っています。ただし、表面の無垢板が2mm以上ないと、傷でベニヤが露出しますので選ぶときに注意が必要です。
スギなどの柔らかい木は足ざわりがやさしいですが、傷がつきやすい。メイプルなどの硬い木は傷がつきにくいですが、硬質な足ざわり。自然材料なので樹種によって木目や色の風合いが違うので、気に入ったものを選ぶことが基本です。迷ったときには欧州で主流であるオークをおすすめします。硬すぎず傷つきにくいためフローリングに最適です。木目もはっきりしていて、モダンでもエレガントでも空間のスタイルにフィットします。
製品化されたフローリングは基本的に表面は塗装されています。一般的なウレタン塗装の塗装面は水を吸い込まないため水をこぼしてもすぐに拭き取れば問題ありません。こぼした水を放置していると、板と板の継ぎ目から水がしみこんで下からふくらむ可能性があります。素焼きのプランターなどを直接置くと水分が浸みることもあります。水分を長く放置しなければ問題はありません。
自然素材なので経年の変化はおこります。歩行頻度の高い所、直射日光があたる所、外から砂埃などが入る開口部付近は傷や変色のリスクは高くなります。重い家具の接地面がくぼんだり、直射日光が入る部屋の敷物の下は変色しないので、はずした時に色が違うなど人為的な変化もおこります。
ヒーターや温水の熱に温められたフローリングは蓄熱し、ふく射熱で部屋の空気全体を温めます。身体が触れるフローリング表面は低温やけどをしないように 30度 以下に保たれます。この熱によりフローリングが変形して不具合を おこさないことが、床暖房対応といわれる機能性です。また、床暖房の性能を妨げる(熱を伝えにくい)ものでないことも求められます。試験機関によって、床暖房の上にフローリングを施工して試験をパスした製品が床暖房対応とうたえます。この性能を満たすためには、必ずメーカー指定の施工要領書に従って施工してください(下地の厚さ等厳密です)。
マンションの階下への騒音が問題になり、床材等の性能評価としてLL等級が定められました。木質系のフローリングはクッション性が無いため、そのままでは等級を取れません。そのために、裏側ににフカフカのスポンジ等を使った防音フローリングという製品が登場しました。
2008 年に試験方法が変わりLL 等級という呼称がなくなりましたが、マンションの規定に書き換えられず残っているのが現状です。
防音用ではない一般のフローリング単体ではこの防音性能は出せません。必要な場合、防音用の下地の上にフローリングを貼る必要があります。
室内でイヌを飼う場合、爪ですべって脚に負担をかけることがあります。表面が平滑な塗装がしてあるフローリングはひっかかりがないのですべります。ウッドフローリングでも木目の凸凹をつぶすことなく繊細な塗装(目はじき塗装といいます)をかけたものや、木目を浮かび上がらせる加工(うづくりといいます)を施したものはすべりにくいのでおすすめです。
また、私たちの扱っている「CORKCOMFORT」ブランドのコルクフローリングは弾力性と滑りにくさがあり、愛犬家の方が選ばれる事例が増えています。
通常は掃除機やフロアモップのから拭きで十分です。汚れが目立つ場合、ウェットティシューや固く絞った雑巾でこすり落としてください。水分を直接吹きかけないようにしてください。
無垢フローリングや、複合でも表面の無垢材が2mm以上あるものであれば、表面を研磨して傷を埋めて再塗装する床再生工事を行うことができます。